感情労働とは、仕事の中で自分の感情をコントロールし、一定の感情表現を求められる職業を指します。例えば、接客業や医療・福祉、カウンセリング業では、常に冷静で親切な対応が求められます。そのため、本心とは異なる感情を演じることが必要になり、長期間続くと大きなストレスの原因となります。

感情を抑え込むことは、脳に大きな負担をかけます。自律神経が乱れ、ストレスホルモン（コルチゾール）が増加することで、身体的な症状が現れることも少なくありません。特に、慢性的な疲労感、頭痛、胃腸の不調などは感情抑圧の典型的なサインです。

ストレスが原因で起こる頭痛には、筋緊張型頭痛と片頭痛があります。筋緊張型頭痛は、肩や首の筋肉が緊張することで血流が悪くなり、痛みが生じるものです。「重く締め付けられるような痛み」が特徴的で、肩こりや目の疲れ、ふわふわする感じが伴うことがあります。片頭痛はストレスによる血管の拡張が関係しています。「ズキン、ズキンと拍動性の痛み」が特徴で、吐き気などを伴うことがあります。持続的な緊張やストレスにより、ホルモンや筋緊張が変化し症状としてストレスのサインを出しています。

ストレスが原因で自律神経が乱れると、胃腸の働きが低下し、吐き気を感じることがあります。交感神経は逃げる、闘う時に優位になります。いつでも逃げられる、闘えるように筋肉に血流が集中し、消化器官への血流が少なくなり働きが悪くなります。また飲み込むことは体内に入れる、受け入れる行為であり、吐き気はその状況への拒絶として生じるとも言われています。ストレスによる過剰な交感神経の働きが、体の不調として現れます。

感情労働をしていると、常に「適切な感情表現」を意識しなければなりません。お客様や患者様、生徒や保護者に対して、適切な役割を演じる必要があります。言葉が通じないことや、理不尽な対応を強いられることも多く、非常にエネルギーを消費します。その結果、本来の感情と外に出す感情のギャップが大きくなり、精神的な疲労が蓄積します。これが「演技疲れ」と呼ばれる現象で、長期的に続くと心身の不調につながります。

感情抑圧が続くと、自律神経が乱れやすくなります。特に、副交感神経の働きが低下するとリラックスが難しくなり、慢性的なストレス状態に陥ります。その結果、コルチゾールの分泌が増え、免疫力の低下や集中力の低下といった影響が出ることもあります。最近風邪をひきやすくなった、下痢やお腹の調子が良くない等、持続的ストレスで免疫力が下がっているかもしれません。

働いている中でストレスを０にすることはできません。ストレスをため込まないためには、感情を適切に発散することが大切です。その際に「出す」ことがとても重要です。例えば、日記をつける、信頼できる人と会話する等、自分の中にある感情や話したい事を話し、外に出すようなことがお勧めです。カラオケも声を出し、吐き出すため発散におすすめです。周りが気になるようでしたら一人で好きなだけ歌う時間があってもいいですね。私も一人で行って好きなだけ歌います。

ストレスを軽減するためには、意識的にリラックスする時間、習慣を作ることが重要です。例えば、アロマや音楽を活用する、温かいお風呂に入るなどの習慣を取り入れることで、副交感神経を優位にし、ストレスを軽減できます。もちろんリラクゼーションサロンの活用もおすすめです。非常に疲れている時は一人でリラックスしようとも、不安や仕事のことを考えてしまうことも多いです。心地いい感覚に集中しながら、ゆっくりとしたリズムに身を置くと自然と呼吸のリズムがゆっくりと深くなっていきます。体に生じた疲れも一緒にケアすることで、リラックスしやすい体にしていきましょう。